高齢者で背骨が曲がっている人をよく見かけるように、骨粗鬆症は老化とともに増加し、80代女性では女性のほぼ半数、男性は20~30%が発症します。
今回はそんな骨粗鬆症とダイエットのリスクについて解説していきます。
骨は表面の硬い部分の緻密質と、中のスポンジの様に網目構造になっている海綿質の2層構造になっており、海綿質はスポンジの様な構造から外力を吸収し、強い強度を保っています。
年齢を重ねるにつれて、骨は新しくつくられるものよりも破壊されるもののが多くなってきます。骨を構成する表面の緻密質は減らないが、中の海綿質が高齢になると半分ぐらいに減ってしまうと言われています。海綿質の量が少なく、骨が折れやすくなる状態を骨粗鬆症と言います。
中のスポンジがスカスカになればただの空洞の様になります。外力を吸収できず脆くなっていれば骨折しやすいのは容易に想像できます。
階段を降りた軽い衝撃やクシャミをしただけで骨が折れたり、背骨が曲がってしまったりと注意が必要です。
骨の様々な機能として、
①体の形を保つ
骨格をつくることで、全身を支えています。家で言う鉄筋のような役割です。
②内臓を保護する
脳や肝臓など重要な器官を、外からの衝撃から守る。
③血液をつくる
骨髄には幹細胞があり、これが分化して赤血球、白血球、血小板などをつくります。幹細胞とはある細胞に変化するように指示を受けると、特定の細胞に変身することができる未分化の細胞。
補足
iPS細胞→人間の皮膚などの体細胞に、ごく少数の因子を導入し、培養することによって、様々な組織や臓器の細胞に分化する能力とほぼ無限に増殖する能力を持つ「多能性幹細胞」に変化します。この細胞を人工多能性幹細胞と呼び、名付け親は世界で初めてiPS細胞の作成に成功した京都大学の山中伸弥教授です。
2012年にはノーベル生理学・医学賞を受賞されています。
骨は成長時のみにつくられるわけではなく、成人してからも絶えず新しい骨がつくられ、古い骨は破壊されています。
骨の中には、骨をつくる骨芽細胞と、骨を破壊する破骨細胞があります。
特に女性においては、閉経後に女性ホルモンの分泌が減り、ホルモンバランスが変わることによって新しく骨をつくる細胞(骨芽細胞)の働きが弱くなります。
また、腎臓の働きも低下する為、カルシウムの吸収を助けるビタミンDがつくられにくくなり、カルシウムの吸収量が低下することも原因の一つです。
ここで問題なのが、若い時に食べないダイエットや過剰な糖質制限を行うことで、カルシウムなどの栄養を適切に摂取せず、さらに運動をしなかった人は50、60代でも骨粗鬆症が始まってしまうリスクも。
また外出時にサングラス、帽子、長袖、長ズボン、日傘、マスクなどで完全防備している方もいらっしゃいますが、そういう人に限って日焼けしないように紫外線には気をつけるが、運動不足で骨密度が低い可能性があります。
何故ならばヒトは日光を浴びることで活性型のビタミンDを合成し、カルシウムの吸収率を高めます。日光を浴びないことでビタミンDの合成がうまくいかず、カルシウムだけ摂取しても骨の形成が適切になされません。
2時間以上外で紫外線を浴びるのはシミやシワ、皮膚ガンのリスクが高まるので確かにオススメはしないですが、適度に20~30分前後は毎日、日光を浴びることで骨を強く若々しく保つことができます。
赤ちゃんですら、夏場であれば30分、冬場であれば1時間前後日光を浴びることがくる病の予防になると国が定めたガイドラインに記載してあります。
肌のケアだけして、日光を浴びず、食事は糖質・脂質たっぷりの食事をしている様では本末転倒。内面からの美しさは手にはいりません。
まずは適度に日光を浴びること、美しくなるための食生活を実践すること。
これが30年、40年後の自分のカラダへの回答になります。骨がもろくなってからでは遅いです。
今、対策をしないと見た目も中身もボロボロになります。
その2へ続く